Taka(@takapiece)です。
前回、パラグライダーの事故について主に精神面からのアプローチを書きました。
今回は外的要因からのアプローチを書いてみたいと思います。
パラグライダー事故の原因と対策
結局、事故を起こさないためには
危険なコンディションではフライトしない
ということが基本になりますが、それだけでは
「大空を飛びたい」
という気持ちは抑えきれないと思います。
パイロットになりたての頃はなおさらですよね
なので、どのような状態が大怪我に繋がるのか?
荒れた空を飛ぶということはどういった危険を伴うのか?
ということを知っておくことは大切です。
パラグライダー事故の程度
事故と一口に言っても様々な程度があります。
軽い事故の代表はスタ沈です
これはスタート失敗のことで
ケガをすることはほとんどありません。
次はツリーラン(ツリーランディング)です
基本的には意図的に木に引っ掛かることをツリーランと言いますが
落下して引っ掛かってもツリーランと言ってます。
落下の仕方にもよりますが
多くの場合は木がクッションになってくれるため、けがは少ないです。
日本はありがたいことに木が多いので、事故のほとんどはこのケースです
重大なパラグライダー事故の原因
では、大怪我になるケースはどういったものがあるのか?
- フライトの途中で意図せずに落下し、そこに木がなかった場合
- ランディングの直前で落下した場合
両方ともキャノピーのつぶれが原因ですが
特に死亡事故が多いのはランディング直前の事故です。
フライトの途中で落下するケースは
- 判断ミスで危険な空域に入ってしまった
- 操作ミスで回復できない旋回に入ってしまった
- 非常に強烈なサーマル(上昇気流)コンディションで潰されてしまった
ことが多く、キャノピー(翼)の回復余地は残されています
ランディングの途中で落下するケースは
- ランディング地点の乱気流がキツイ
- 風の急変によりダストデビル(つむじ風)に巻き込まれる
ことがほとんどで、自力での回復は非常に難しいです
重大なパラグライダー事故の対策
フライトの途中で落下するケースを防ぐには
- 危険な空域とはどのような場所かを知る
- 危険な操作とはどのような操作かを知る
- 危険なコンディションとはどのようなコンディションかを知る
簡単に説明すると
危険な空域の代表は主に障害物の裏側です。
特に風が強い場合、乱気流が激しくて機体のコントロールができません。
障害物はもちろん山、山の尾根を含みます。
危険な操作の代表は、ブレークコードの引きすぎです。
これは操作のタイミングや機体の安全性能、その時のコンディションに左右されますが
両方引きすぎれば失速しますし、片方引きすぎればスピンに入ります
危険なコンディションの代表は、春先の強風です。
北風の強風が入る上に、昼夜の温度差が激しいので
強烈なサーマルコンディションになります。
つむじ風が多く発生するのもこの時期です。
ランディングの途中で落下するケースを防ぐには
ランディングが荒れそうなときはフライトしない
のが一番ですが、すでにフライトしてしまっていた場合は
- ランディングの風が収まるまでフライトを続ける
- 安全にランディングできる場所を探す
等の対策をして安全を確保してください
高齢者のパラグライダー事故
パラグライダーのフライヤーは実に幅広い年代の方がいます
僕が知っているだけでも70歳代の方が数名いらっしゃいます
自分でしっかり体調管理をされている方なら大丈夫ですが
体調管理がずさんだと体調の急変により
操作ができなくなり墜落する可能性もあります。
残念ながら、毎年それが原因かもしれないと思われる事故が報道されます。
年齢に応じてフライトする条件を限定するのはもちろん
飛ばない選択を持つべきです
昨日、テイクオフで尊敬する大先輩(70歳)が
強風でフライトできない後輩に
「健康で元気ならいつでも飛べるよ」
と言っていたのが印象的でした。
パラグライダーでフライトする前に考えたいこと
- 天気予報
- 天気図
- 風予報
は最低限チェックしておいて
当日のコンディションがどのように変化するのか予測しておきたいです。
この予測をもとにして
- 午前中のフライトプラン
- 午後のフライトプラン
を立ててフライトします。
天気予報でチェックしていても
天候の急変はありえますので決して無理はしないことです
大会では無理することがある程度当然な感じですが
一般フライヤーは真似をするべきではありません。
たとえコンペティター(大会選手)が次々にテイクオフしていったとしても
自分とは技量と経験が決定的に違うと言うことを肝に銘じておきましょう
技量と経験が豊富なコンペ選手でさえ天候の急変により落下の危険があります
われわれはなおさらですから。