手に入れましたよ「革命のファンファーレ 現代のお金と広告」
革命のファンファーレめっけ!
— Taka@ノマドフライヤー (@takapiece) 2017年10月4日
やっぱり田舎のひな壇には居なかったw #革命のファンファーレ pic.twitter.com/u8Lw5ElulT
「現代のお金と広告」という副題で、これからの稼ぎ方の本なんですけど「生き方」「働き方」全般を考えるきっかけになるんじゃないでしょうか?
この本の中心は「信用」の話なんですけど「信用」って小手先じゃなくてもう「生き方」ですよね。
- 「革命のファンファーレ 現代のお金と広告」
- はじめに
- 他人と競った時点で負け。自分だけの競技を創れ。
- キミの才能を殺したくなければ、お金の正体を正確に捉えろ。
- お金を稼ぐな。信用を稼げ。「信用持ち」は現代の錬金術師だ。
- 意思決定の舵は「脳」ではなく「環境」が握っている。
- 入り口でお金を取るな。マネタイズのタイミングを後にズラして、可能性を増やせ。
- 作品の販売を他人に委ねるな。それは作品の「育児放棄」だ。
- インターネットが破壊したものを正確に捉え、売り方を考えろ。
- 2017年1月。お金の奴隷解放宣言。
- 無料公開を批判する人間に未来は無い。
- 過去の常識にしがみつくな。その船はもう沈む。逃げろ。
- 作品の無料化が進み、エンタメ業界は完全な実力社会になる。
- その作品を守る為に、「著作権」は本当に必要か?
- 本を売りたければ、自分で一万冊買え。そこで必要なのは「財力」ではない「努力」だ。
- 「セカンドクリエイター」を味方につけろ。
- 信用時代の宣伝は、口コミが最強。口コミをデザインしろ。
- 自分の作品と、社会を一体化させろ。
- 努力量が足りていない努力は努力ではない。誤った努力もまた努力ではない。
- ニュースを出すな。ニュースになれ。自分の時間を使うな。他人の時間を使え。
- お客さんは、お金を持っていないわけではなく、お金を出す「キッカケ」がないだけだ。
- インターネットは「上下関係」を破壊し、「水平関係」を作る。
- 《後悔の可能性》を片っ端から潰せ。
- 老いていくことは「衰え」ではない「成長」だ。
- 次の時代を獲るのは「信用持ち」だ。
- 本ではなく、店主の信用を売る古本屋、『しるし書店』
- 売れない作品は存在しない。君の作品が売れないのは、キミが「売っていない」だけだ。
- 出版のハードルを下げ、国民全員を作家にする出版サービス、『おとぎ出版』。
- 踏み出す勇気は要らない。必要なのは「情報」だ。
- おわりに
- 追伸
「革命のファンファーレ 現代のお金と広告」
はじめに
やりたいことが見つからない
最初に西野さんは自分より若者の方が優秀だと説いていて、それには僕も全くの同感。
基本的に子供は優勢な遺伝子を受け継いでいくんだから、当然子供の方が親より優秀になる。
僕が子供の頃知っていた知識なんてたかが知れてるけど、今の子供達が扱える知識はインターネットとSNSの普及が手伝って、それこそ無限大だと思う。
なのに今、やりたいことが見つからないと言う子供が増えているのは肩書を1つに絞る危険性を身をもってわかっているからだと言う。
大人の世界を見るとお金はストレスの対価だと思っている大人は多いけど、ストレスのかかる仕事はどんどん自動化されていき世の中から消えていっている。
農業革命、産業革命に続く大きな革命、情報革命が今起こっていて、当然ながら親や先生は情報革命を経験したことがない。
大人たちはうろたえている。
職業が次々に消えていく世界
逆に考えると、好きでもない仕事(ストレスのかかる仕事)が消えていき好きな仕事だけが残っていく世界。
これらは子供たちには朗報だがおじさんたちには訃報だ。
これからどんどん消えていくであろう仕事こそが仕事なんだと思い込んでいるから。
そんな時代の流れの中で好きでもない仕事にしがみつく意味はあるんだろうかと考えてしまう。
僕は40歳で方向転換したけれどね。
これからはもっともっと働き方が多様化していく。
そんな中で何か1つのことしかしないというのは究極の贅沢なのかもしれないと思った。
クラウドファンディング
西野さんはクラウドファンディングを2度行い
- 合計支援者数は15,000人を突破
- 合計支援金額は1億円を突破
- クラウドファンディングの国内歴代トップ
の成功を収めている。
芸人の舞台という仕事をハードにこなしつつ、絵本を共同作業で作り上げている。
そして作品をお客さんに届けると言う努力も稀に見るハードさでこなしている。
それは努力が報われると言うことを世間に知らしめたいがため。
ブログ見てると楽しそうだけど、体壊さないか心配になってくるほど。
他人と競った時点で負け。自分だけの競技を創れ。
西野さんのことを知らない人は「芸人が絵本を描いたら人気にあやかって、たまたま大当たりした」と言う認識があるかもしれない。
だが実は全く逆で、西野さんのブログをチェックしている人はご存じだろうが販売のための努力が半端ないし、戦略は全て公開している。
大ヒット作となった絵本「えんとつ町のプペル」は、分業制で作られている。
絵本の業界では異端児にあたるが映画やテレビの世界では当たり前のこと。
逆にそうしないときちんとした作品は作ることができない。
壮大な作品を作ると心に決めた時、当然作り方も変わってくる。
基本的に絵本業界は今まで開拓した市場に合わせて絵本がつくられていたが、西野さんは市場の照準を世界に合わせ、さらに日本市場を開拓した。
つまり今まで絵本なんて買ったことがないと言う人に絵本を買ってもらう努力をしたと言う事。
キミの才能を殺したくなければ、お金の正体を正確に捉えろ。
西野さんはクラウドファンディングで成功しているが、タレントや芸人が全員クラウドファンディングで成功しているわけではない。
つまりクラウドファンディングの成功において知名度は1つの要素ではあるが、決定的な要素ではないということ。
お金とは信用を数値化したもの
貨幣の原価は3円~30円程度で、原価と同等の価値があるのは1円~10円まで。
つまり1万円札で100万円持っているより、1円で100万円持っていた方が物質としての価値がある。
あまりに当然すぎて考えたこともないと言う人が大多数かもしれないが、僕らは日本と言う国を信用しているから金属や紙切れに実物以上の価値があるとして使える。
しかもお金の価値は日々為替レートと言う数字を見ればわかるが、全く安定していない。
毎日価値が変わるものを日本政府への信用の元、一定の価値があるものとして流通させている。
信用がなければ今の経済なんて成り立たない。
クラウドファンディングは信用お金に変える装置
今の先進国は信用がお金として機能している。
だからクラウドファンディングでお金を集めたいのであれば、信用がなければならない。
タレントや芸人が全員クラウドファンディングで成功しているわけではないというのは、タレントはスポンサーありきで活動しているから。
つまり時と場合によっては嘘をつき通さなければならない時もある。スポンサーの商品や場所の紹介の時なんか特にね。
でも、今の時代はごまかしがきかない。
近年多くの企業が従業員の告発によって不正を暴かれているのをみればわかるけど、悪賢くてずる賢ければ世の中渡り歩けた時代はずいぶん前から崩壊してきている。
嘘をつけば好感度は得られるかもしれないが、信用は得られなくなる。
お金を稼ぐな。信用を稼げ。「信用持ち」は現代の錬金術師だ。
西野さんの信用の勝ち取り方は
- 嘘をつかない
- うまいものはうまい、まずいものはまずいと言える
- 意思を明確に表明する
- 言いたいことは言う
西野さんは番組の収録途中に帰ったことがある。
なんでもやれと言う制作側に対して、やれることには線引きがあるという意思を示した結果だ。
目の前にあるお金は失うかもしれないけど、自分に嘘をつかないと言うことで信用を勝ち取っている。
意思決定の舵は「脳」ではなく「環境」が握っている。
お金を集めるには信用が必要。
そして信用勝ち取るためには嘘をつかないことが大切。
そのためには嘘をつかなくても良い環境を作ることが前提になってくる。
西野さんは嘘のない意思表明をすることで信用を勝ち取り、自身が運営するオンラインサロンの会員を増やし、そこからの収益で嘘をつかなくても食べていけるベースを作り上げている。
つまりオンラインサロンも信用をお金に変える装置だと言える。
「これで正直者が馬鹿を見る時代は完全に終わった」と西野さんは言う。
入り口でお金を取るな。マネタイズのタイミングを後にズラして、可能性を増やせ。
信用通帳
「西野亮広独演会」のチケット代は2,000円で、2階席の小学生以下は無料。
通常この料金では講演会は継続できない。
でも、今の時代 何にどれぐらいかかるかはお客さんはわかっている。
お値段以上を提供されていることがわかっている。
そして「西野亮広独演会」後、西野さんは「えんとつ町のプペル」のクラウドファンディングを行う。
当然、独演会に参加した人の支援率は高い。
独演会で「信用」を稼いだという証。
このことにより、クラウドファンディングをすると確実に数字が取れる。
さらにその数字によって世間の注目を集め、今まで興味がなかった人にまでリーチできた。
素晴らしい商売のデザイン感覚。
作品の販売を他人に委ねるな。それは作品の「育児放棄」だ。
「良い作品を作れば勝手に売れると言う幻想は今すぐ捨てた方が良い。」と言い切っている。
それはそうだ、今は物のなかった時代ではなくて世の中は良い作品で溢れている。
届ける努力は必須の時代。
こう表現されている「お客さんの手に届くまでの導線作りも作品制作の1つ。
導線作りができていない作品は未完成品。」と。
インターネットが破壊したものを正確に捉え、売り方を考えろ。
学校はお金のことを教えてくれない。
僕が昔、学校を周り先生の車の世話をする仕事をしていたとき、学校の校長先生が言ったことを思い出した。
「先生たちは世間知らずだ。学校を卒業してそのまま学校に就職する先生に、世間の事なんかわかるはずがない。」
僕らは社会人になるまでお金のことをほとんど知らない。
特にお金を作る知識となれば、人によっては死ぬまで知らずに過ごす人もいるだろう。
インターネットでの販売戦略に「ロングテール」という言葉がしばしば使われる。
インターネットを用いた物品販売の手法、または概念の1つであり、販売機会の少ない商品でもアイテム数を幅広く取り揃えること、または対象となる顧客の総数を増やすことで、総体としての売上げを大きくするものである。
これは物理的制限のないインターネットならではの戦略で、現実世界では実現できない手法。
インターネットは物品やサービスの販売の際障壁となっていた物理的制限を壊してしまった。
2017年1月。お金の奴隷解放宣言。
基本的に有限なものにはお金がかかる。
それは奪い合いの原理が発生するからだ。
ところが無限のものは無料にできる。
それがインターネットが巻き起こした革命。
無料公開を批判する人間に未来は無い。
西野さんは絵本「えんとつまちのプペル」を無料公開にした。
結果「えんとつまちのプペル」の売り上げは上がり、スタッフにボーナスまで払えた。
しかし、この戦略を批判する声が沸き起こった。
フリーミアム戦略
フリーミアム戦略と言えば、結構前から本まで出版されてインターネット上では当たり前の戦略となっている。
基本的なサービスや製品は無料で提供し、さらに高度な機能や特別な機能については料金を課金する仕組みのビジネスモデルである。
でも、有限の場所と手段が主戦場である人間とって、それは死活問題に見える。
- 価値があるものを無料にしたら、今後お金を払ってもらえなくなる
- 労働に対してお金を支払ってもらうのは当然
- 無料が当たり前になってしまったら業界が疲弊する
これらの人々は主要なインターネットサービスが無料で提供されていて「それには価値があって、当然それを運営している人たちは労働を提供している」と言う事実をすっかり忘れてしまっている。
そもそもインターネットが出現する以前からテレビ番組は無料で視聴できている。
テレビ番組には価値がなくて誰も働いていないとでも言うのだろうか?
とある声優さんとファンの方々からも「作品を無料公開してしまうと作品にお金を払うと言う意識が薄まる」という批判の声が上がった。
- ところがテレビアニメは無料で提供されている
- それでしっかりと協会が回っている
- 価値があるものを無料公開しているからファンが生まれお金が発生する
なぜフリーミアム戦略の真っ只中にいて、それに気づかず批判までしてしまうのか?
この出来事は「僕らは日々常識を疑わず、ほとんど無意識に日々を過ごしている」ことを示してくれた。
基本的に無料サービスは入り口を無料にしているだけで、課金するタイミングは後にずらしているだけ。
スマホのゲームを思い浮かべるとわかりやすいかもしれない。
数年前まではゲームをすると言えば
- ゲーム機本体を買って
- 有料のソフトを買う
という流れだった。
ところが一般的にスマホが普及したおかげで
- ゲーム機本体を買う必要がない
- 無料のソフトでゲームを始められる
という状態になった。
本格的にゲームを楽しみたい人は、ゲームの面白さを吟味したうえで課金するかどうかを選べる。
この戦略でDeNA(モバゲー)などのゲーム会社が社会現象となり、爆発的な利益を得たのは記憶に新しい。
ゲーム機に比べて圧倒的な数の携帯に、無料ゲームと言う広大な入り口を作ったおかげで莫大な利益を得たわけだ。
僕らは日々無料戦略の真っ只中で暮らしている。
それを意識していないだけ。
「えんとつまちのプペル」の無料公開は
- 無料公開したほうが売り上げが伸びる
- 無料公開した方が出版業界が盛り上がる
という判断ができたから実現した。
事実そうなった。
出版業界が遅れていたわけではない。
漫画が 「1話無料」「一巻無料」凄いのでは「最新刊以外全部無料」なんてのもある。
また雑誌や本の読み放題サービスは、無料ではないが料金を料金内で読める雑誌や本の数で割ってみると1冊1〜数円で読むことができる。
特にKindle Unlimitedは雑誌だけの読み放題サービスに比べて途方もない数の本が読めるので超絶にオススメしておく。
こうやって考えると絵本業界の方が異常だったと言うこともできる。
過去の常識にしがみつくな。その船はもう沈む。逃げろ。
フリーミアム戦略
スーパーの試食や化粧品の無料サンプルとインターネットでの無料公開は何が違うかと言うと
- 現実での無料は、無料にした人数分お金がかかる
- インターネットでの無料公開は 、1つ無料にしても100個無料にしてもかかるお金にほとんど差がない
ということ。
西野さんはインターネット上で受け取ることができる「データとしての絵本の価値」と本屋で売られている「物質としての絵本の価値」を完全に分けて考えている。
物質としての本は読み聞かせなどのコミニュケーションツールとしての価値があるということ。
ところが、絵本を無料で読めるサイトがあるんですけど
実際の本をめくるようなギミックが搭載されていて、なんだかこれでコミュニケーション取れちゃいそうなんだなぁ~。
見る人の利便性を考えてのことなんだろうけど、これこそ作家の首を絞める結果になると思う。
いい人が作ったんだと思うけどそれだけではダメ、すべてに戦略が必要だということ。
絵本を買うお母さんは絵本の内容が分かっているから買う。
それが証拠に絵本コーナーでは何十年も昔に出版された本が売れている。
これはその本が素晴らしいということだけではなく、お母さんがその本の内容を知っているからということを示している。
だから、無料公開には意味があるし、無料公開の仕方にも意味がある。
ネタバレを恐れるな、人は確認作業でしか動かない
現代人はとにかく忙しく時間にもお金にも追われていることが多い。
貴重な時間やお金を無駄にしたくないから、未知のものにお金を払ったり時間を使うことには慎重になる。
観光地や絵画にしても、すでに知識として知っていることに対してお金を払ったりその場所に行ったりする。いわゆる経験は知っていることの確認作業になっている。
無料公開の仕方
ビジネス書でも無料公開したほうが売り上げが上がる。
例えば
- サイトAで序章
- サイトBで第2章
- サイトCで第3章
の無料公開にすれば、情報を回収するコストよりも本を買うコストの方が安いから本は売れる。
ほとんどがブログで無料公開している内容をまとめただけの本でも売れる。
まとめる時間と手間を考えれば本を買う方が効率がいいから。
もちろん無料公開している内容に価値がなければ、いくらまとめても売れるわけがないけど。
作品の無料化が進み、エンタメ業界は完全な実力社会になる。
いくらフリーミアム戦略に力があると言っても、無料サンプルがしょうもないものだったら商品が売れるわけがない。
インターネットは気軽に誰もが無料サンプルを提供できる場所だけど、参加障壁が低いゆえに競争率は上がり実力がなければ淘汰されてしまう。
結果、実力のない人間はフリーミアム戦略を恐れることになる。
なので無料化を批判する人は「自身がないんだな」と思われても仕方がないかもしれない。
「良いものを作りさえすれば売れる」という時代は終わったが「良いものを作りさえすれば届け方はいくらでもある」と言う時代になったと思う。
その作品を守る為に、「著作権」は本当に必要か?
絵本「えんとつ街のプペル」は著作権がナアナアである。
基本的に自由に創作物を作ることができる。
熊本県PRマスコットキャラクターの「くまモン」戦略みたいなもんかな?
くまモンは熊本県の許可がとれれば、個人または企業でロゴとキャラクターを無料で利用することができる。
くまモンが自由に広く認知されることで、熊本の観光や商品が広く認知され売れるようになる。
実際、くまモンの露出度は他都道府県のゆるキャラに比べて圧倒的に高い。
そして、絵本「えんとつ町のプペル」の場合も自由に広く認知されることによって絵本が売れる。
また無料公開は、多くの人の生活を豊かにし信用を稼ぐことができるというメリットがある。
信用を稼げばそれをあとで換金できるのは前述のとおり。
これが西野さんの言う「貯蓄の時代が終わり、信用貯める貯信の時代がくる」ということ。
本を売りたければ、自分で一万冊買え。そこで必要なのは「財力」ではない「努力」だ。
「自分で一万冊の本を買う」
種明かしをすれば自分で自分の本の販売サイトをつくり、10000冊の予約を取ったということ。
出版業界は予約販売のシステムはあっても、それを生かし切れていない。
本の販売数を読み切れない場合、大量の在庫を抱えることもあるので出版の足かせになる。
そこで西野さんは自分で自分の本の予約を取り、自分で自分の本を1万冊買った。
結果 2435万1138円の領収書が手に入り、それを話題にすることができる。
この領収書が広告塔になり、他人が本の宣伝のために時間を使ってくれる。
「セカンドクリエイター」を味方につけろ。
クラウドファンディングには大きく分けて3種類ある。
- 寄付型 : 単なる寄付のためリターンは発生しない
- 購入型 : 支援者が出資することで金額に応じたリターンを受け取る
- 金融型 : 基本的には企業への小口の出資で、リターンは金銭や株式
購入方は予約販売とほぼ同じ。
クラウドファンディングの価値
クラウドファンディングの価値は集まった金額とは別の部分にある。
それは支援者数。
よく「共犯者作り」といった表現をするが、西野さんはクラウドファンディングで集めているのは「支援者ではなく共同制作者」という意識を持っている。
共同制作者が増えれば増えるほど、良いものが製作できて売れる数も増える。
「体験×おみやげ」で作品を売る
普段僕らは生活必需品は迷いなく買うが、作品と言われるものにはあまり手を出さない。
ところがお土産となると「どうしてこんなものを買ってしまったんだろう?」と言うものですら買ってしまう。
西野さんはお土産を「生活必需品」として捉えている。
それは、お土産が楽しかった出来事を思い出す装置として必要だから。
お土産を構成する要素は「体験」とそれを「思い出すための品物」
以前講演会を聞きに行った時もこの話はされていた。
本やパンフレットは本屋ではなく講演会のお土産として売ると飛ぶように売れる。
講演会会場において、本やパンフレットは単なる本やパンフレットではなく思い出の品に変わるからだ。
広告の連鎖
西野さんは「えんとつ町のプペル光る絵本展」をクラウドファンディングのリターンに設定した。
するとその「リターンを手に入れるためのクラウドファンディング」が各地で立ち上がった。
時々趣味で作り手側に回ろうとするセカンドクリエイターの皆さんが積極的に立ち回った結果だ。
おかげで普段リーチすることがない客層にもえんとつまちのプペルが広まった。
この場合、いかにセカンドクリエイターの皆さんの心を揺さぶり、作ってみたいなと思わせるかがカギとなっている。
信用時代の宣伝は、口コミが最強。口コミをデザインしろ。
現在の宣伝力は=信用力
信用が担保されない広告は広告効果が低い。
例えば、友達や尊敬する人に何かを勧められればあっという間に心が動くが、あからさまな宣伝広告には心を動かされにくい。
昔のAppleのCMはうまかったけどね。
今は最強の宣伝マンである「口コミ」をいかに発生させるかが勝負。
それにしても、ちょいちょい出てくる西野さんの宣伝のアイデアが面白い。
会いに来る個展の考え方はやばいけど、面白い。
なんだかお笑いのネタを考えているみたいだ。
特に関西の人は共感できると思う。
「こうしたらおもろいやん」ということを永遠に考え続ける感じ。
「宣伝方法を検討する」だとしんどくなってくるけど、「おもろいネタを考える」なら永遠に続けられそうな気がする。
自分の作品と、社会を一体化させろ。
1日100時間働くと言う考え方
西野さんは「ウォルトディズニーを倒す」が旗印なんで、それを実現しようと思ったら一日100時間は働かないと追いつけない。
となると物理的に不可能なんで、誰かの時間をいただくしかない。
全てはその前提で戦略だてられている。
ハロウィンの大ブレイク
西野さんはジャパニーズハロウィン(渋谷ハロウィン)のアイコンを取りに行くことを計画している。
今やジャパニーズハロウィンは世界最大規模のコスプレ大会と成長しており、外国人観光客の見どころにもなっている。
昨年は僕の知人も参加していて、面白そうだった。
西野さんとその一味は、ハロウィン翌日に「えんとつ町プペル」の仮装で渋谷のゴミ拾いをする。
ハロウィン=ゴミ=プペルの刷り込みを実行するためだ。
渋谷ハロウィンゴミ掃除
— たいひらめ🍺 (@tai_hirame25) 2016年10月29日
今年はゴミが少ない!!!#えんとつ町のプペル pic.twitter.com/2ofEgINQVB
なんだか5~6数年後には世界中で制作されたプペルグッズが逆輸入されて、アマゾンなんかで売られている気がする。
なんとも夢のある話じゃないか?
僕もプペルを世界に広げる共犯者になって、世界中でプペルの格好をして空をとべたらいいな~と思う。
努力量が足りていない努力は努力ではない。誤った努力もまた努力ではない。
とにかく西野さんの作品を届ける執念はすごい。
例えば、絵本を正方形にしたのは「いかにInstagramにアップしてもらうか」を考えた結果。
一事が万事この調子。
制作している段階で常に流通のことを考えている。
「えんとつ町プペル」の町が製作途中で渋谷をモチーフにしたものを取り入れるくらいに。
当然ながらどの制作者も流通の事は考えているのかもしれないが、慣例にとらわれない自由な発想で物事に当たる大切さとその威力を感じることができる。
そして、その戦略はただ単に「作品が流通すればいい」だけにとどまらない。
紙の「えんとつ町のプペル」最終ページは映画のエンドクレジットのようなつくりになっていてスタッフの名前が連なっている。
無料公開したWEBの「えんとつ町のプペル」にはエンドクレジットがない。
- 紙版は「そこからスタッフの仕事が発生するかもしれないから」
- WEB版は「コマーシャルとして公開しているから」
どちらもスタッフのことなど、すべてを考え抜いた戦略だ。
「革命のファンファーレ」の届け方に関しても同じ。
先日読んだ「他動力」の拡散装置もInstagram らしく、各見出しを1頁まるまる使って2~3行程度の格言を書いている。
「革命のファンファーレ」ではそれを取り入れて、各見出しがInstagramで拡散しやすいビジュアルに仕上がっている。
西野さんは作品に関わるアイディアを、スタッフはもちろんオンラインサロンの仲間と一緒に徹底的にブラッシュアップしている。
革命のファンファーレに出てくる一つ一つの話はどれをとっても、とてつもない議論の末に出てきた感がある。
それは次の言葉に表わされている。
「常識を疑い、実践し、修正点をあぶり出し、伸ばすべきポイントを徹底的に伸ばす。その繰り返しだ。その先にしか、未来はない。」
スキが無い。
ニュースを出すな。ニュースになれ。自分の時間を使うな。他人の時間を使え。
「宣伝アカウントに宣伝効果はない」
企業で働いているとそんなことがわからなくなってくる。
ともすれば、自分自身のやっていることをを否定することになるからだ。
でも、否定するのとは違うやり方をはある。
「ニュースを出すのではなくてニュースになるという方法」
- 共犯者を増やしてニュースになる方法
- サプライズでニュースになる方法
使い方を間違えないために、どちらも何のために何をしているのかよく考えることが大切だ。
「革命のファンファーレ」の販売戦略
- 講演会出口のお土産戦略
- クラウドファンディングで講演会のオファー数を可視化する
- それによりビジネスマンからの信用度可視化した
- 可視化した信用を本と作者の担保につなげる
- クラウドファンディングは 2日で2千万円以上が集まりニュースになった
お客さんは、お金を持っていないわけではなく、お金を出す「キッカケ」がないだけだ。
ある打ち上げの席で西野さんが、前田裕二さんの本「人生の勝算」の魅力を熱弁したところ、スタッフがその場で本をアマゾンから購入したらしく。
このことが本を売る販売戦略のきっかけになったそうです。
「本はコミュニケーションがキッカケで売れる」
本屋やネット書店は販売努力は欠かさないものの、コミニュケーションが足りない。
本は本屋さんよりコミュニケーションの場であるスナックで売った方が売れる。
それは信頼の担保が取れているからというよりも、相手を喜ばせたいという思いから売れる。
インターネットは「上下関係」を破壊し、「水平関係」を作る。
僕は今日まで「吉本芸人は吉本興業に所属している」と思っていました。
実際は何の契約も交わしていないんですねぇ~。
そういう意味では、吉本芸人と吉本興業は水平な関係と言えるでしょう。
西野さん以外の人はどうなのかわからないですけどね。
実際、自分の立ち位置(収入源)を複数持っている人は、西野さんと同じ立場で話をすることができると思います。
それは今やインターネットを活用することで実現します。
一般の会社員と同じですね。
《後悔の可能性》を片っ端から潰せ。
人は何か行動しようとするとき、失敗を避けようとする。
それはものを買うときも一緒で、買った後に後悔するような買い物は誰もしたくない。
ところがその後悔を取り除いてあげると、「ゴミでも売れてしまう」と言う話が出てくる。
「ゴミをお金を出して買えばネタになる」という状況をを作り出してあげると、ゴミが売れてしまったという話が面白い。
発想が実に芸人らしくて、「そう来るか〜〜!」って感じ。
老いていくことは「衰え」ではない「成長」だ。
なぜ人は若さを求めるのか?
西野さんは「老人のアドバンテージ(優位性)を提示できていないからだ」と言う。
人生 100年時代に突入している今、これから僕は老人のアドバンテージを見つけそれを仕事化していくしかない。
では、老人のアドバンテージ=老人力とはなにか?
それは、「愛される欠陥(許され力)の能力」だという。
わかるけど・・・わかるけど、なんか納得いかないかな?
沖縄で見つけた(眠る居酒屋)の話が出ていて、前田さんの本のスナックの話を思い出した。
どちらもお客さんがお客さんの接客をして店が回っている。
人間の温かさが店を回して、その温かさを感じるために人が来る。
そんな感じ。
ということで年末に開催している音楽フェス「天才万博」の受付や誘導スタッフはおばあちゃんが担当するらしいから、参加する人は働く気満々で参加した方が良い、きっと楽しいフェスになる。
次の時代を獲るのは「信用持ち」だ。
西野さんは今映画「えんとつ町のプペル」を絶賛製作中で、ウォルトディズニーを倒す気満々である 。
2年後3年後が楽しみな感じ。
そしてなんと映画「えんとつ町のプペル」の冒頭シーンのセリフが本の中で公開されている。
お金の奴隷解放運動
「・・・我々の祖先は『お金』を発明した。この発明により、海の幸と山の恵み・・・・その他ありとあらゆる恵が交換できるようになり、我々人類は自由を手に入れた。しかし・・・」
日本はお金が力を持っていて、お金を持っている人が力を持つことになった。
これから先もそうなんだろうか?
西野さんは「お金を信用に両替することはできないが、信用をお金に両替することはできるから」今は信用が力を持っている時代だと言い切っている。
本ではなく、店主の信用を売る古本屋、『しるし書店』
誰もが得意なことを職業に出来るように、読書が得意な人間が読書を職業にできるプラットフォームが「しるし書店」。
「読書が好きな人がすすめる本は間違いがない」という信用があったりする。
その信用を現金化することができるプラットフォーム。
「信用をお金に両替することができる」という理論を読書家に当てはめたらこうなる。
「信用=お金」これで考えると、もっともっといろいろなプラットフォームが出てきそうだ。
と、思っていたら「しるし書店」の着地点は本を中心としたSNS になったらしいw
売れない作品は存在しない。君の作品が売れないのは、キミが「売っていない」だけだ。
負けようがない下準備をする
革命のファンファーレの場合
- 革命のファンファーレのクラウドファンディングでビジネスにおける西野さんの信用を数値化した
- 同時にクラウドファンディングを完全受注生産型の販売サイトとして活用し予約数を増やした
ここで印象的なのは
「基本的に「まず考えてしまう」という行為は総じておこがましい。
そこには「考えれば答えが出る」と言う前提がある。
自分の能力を高く見積もりすぎだ。」
と言うセリフ。
説明が腑におちすぎる~。
予約販売は需要を事前に知ることができるし、今はそれをインターネットを使うことによって、物理的制約なしに知ることができる。
「モノもなにもないのに予約販売する。」
と言う手法は昔からどの業界でも行っている。
「フェラーリ」や「ランボルギーニ」が一言「新車作りま~す」と言っただけで、まだ何も作られていないのに、一台何億円もする車が何年も先まで予約が埋まってしまう。
多くの業界は「完成もしていないモノで予約を取る」行為にアレルギーがある。
それは「信用を稼ぐ」という概念がないから難しいものになるんだと思う。
出版のハードルを下げ、国民全員を作家にする出版サービス、『おとぎ出版』。
『おとぎ出版』のサービスは、本を出したい人がクラウドファンディングで事前にその本の予約を募り、100人の買い手が見つかった時点で出版が決定するもの。
『おとぎ出版』がその本のデータを受け取り、製本し、買い手に届ける。
クリエイターの「大きく育つかもしれない小さな可能性」を育てるサービス。
踏み出す勇気は要らない。必要なのは「情報」だ。
幸福度を決めるのはクオリティーではなく「伸び率」だというのが西野さんの持論。
できなかったことができるようになるのは人間の喜びの1つ。
その振り幅が大きければ大きいほど喜びも大きいということ。
とにかく行動する人間にアイデアが集まる
人が行動できるのは勇気があるからではない。
それができる情報を手に入れたから。
勇気を手に入れるのではなく情報を手に入れたい。
「情報は、行動する人間に集まりさらなる行動を生み、また情報が集まってくる。」
おわりに
わかっちゃいるけどつい、なことが書いてあった。
ここは改めて肝に銘じておきたいと思う。
キミに決定権はあるか?
好きなようにやらせてもらえないことを立場のせいにしていないか?
売れない原因を環境や時代のせいにしていないか?
自分の不満を誰かが解消してくれることを待っていないか?
これまでたくさんの人を見てきたが、成功者は必ず決定権を持っている。
そしてこう締めくくられている。
君の革命のファンファーレを鳴らすのは、キミしかいない。
頑張ってください、応援しています。
追伸
僕はおっさんで広告戦略とか関係なさそうな雰囲気の場所で働いてますが、勉強のために買いました。
これで気になっていたビジネス書を3作読みました。
西野さんの販売への取り組み方とデザインの仕方はまさにプロフェッショナル。
「革命のファンファーレ」は広告戦略というか、商品を作ってお客様に届けるまでのバイブルと言えるかもしれないですね。
あとはどれだけ自分の行動に落とし込めるかです。
結局そーゆーことですよね、生きるって。
ということで革命のファンファーレを13,317文字でまとめてみました。
これはもう「無料公開レベルになるんじゃね?」
と思ったけど、全然そんなことはないので
本買って読んでください。
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チャンチャン。